No.23『活動再開』

ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ!」第23話
▼SIDE B
♯4 活動再開
「活動再開」
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2004年3月10日。
彼は渋谷のライブハウスにいた。
新しい装いに?な人も
大いに共感してくれた人もいた。
彼にとっては
とにかく新しいスタートだった。
この日のライブを決めたのが1月下旬。
一ヶ月チョットの間に6曲を書き下ろし
ミックスし、clay.jpのドメインを取得しWebサイトを作る。
食べる為の仕事で
毎日隣の県まで通わなくてはいけない彼の作業場は
なんと
電車の中だった。
歌入れやギター録音以外ほぼすべての作業を
電車でやったといっても過言ではない。
Powerbookを開いて、ず~っと下を向いているので初めの頃は肩はこるし
気持ち悪くなるし、散々だった。
でも「ここでやらなきゃ、いつやるんだ?」ていう気持ちで
なんとか乗り越えると
Powerbookでこういう事が出来る時代に
感謝せずにはいられなかった。
時代は
いつだって
アンテナを立てている人の前では見方になってくれる。
何しろ彼は動き出した。
この時はまだ数ヶ月後にレーベルを立ち上げ
CDを出すなんて思ってもいなかったが...
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一度こんなことがあった。
4月のライブのこと。
彼の出番は最後だったが何人かの客が残ってくれていた。
だが、彼のライブが始まり
しばらくライブを見ていた客が
一人帰り
二人帰り
ついには彼が呼んだ客以外いなくなってしまった。
正直、自分にとってというよりも
自分が呼んだ客に申し訳なかった。
だって
一人
二人って
帰ってしまうライブを客として見てるんだ。
何が悪いのか
全然分からないままライブビデオをずっと見て
やっと気づいた。
「こいつ突っ立って歌ってるだけじゃん」
Powerbookはあるものの
基本的にステージに立っているのは彼一人だ。
その一人がギターを持って突っ立ってるだけ。
「これじゃ帰るわな」
でも、どうしたらいいんだろう。
必死で考えた。
何か飛び道具みたいな物が必要じゃないかと考えて
すぐに高級なボーカルエフェクターを買い揃えて
スタジオに入った。
ボーカルに様々なエフェクトがかかる。
確かに面白い。
でも、こういう事じゃない気がする...
足りない事ってもっとメンタルな部分じゃないのかな?
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ボーカルエフェクターを試すだけのために
スタジオ代を無駄にしたことは気にせず
帰り道で
彼は考えた。
そうだ!
無理にギターを全部弾く必要はない。
ギターが合わない曲はダンスしてればいいんだ。
でも
彼がダンスをライブでやるためには
また一皮脱ぐ必要が合った。
はっきり言って恥ずかしかった。
アコースティックギターでも無理矢理ロックに演出して来た
根っからのロック野郎である。
でも、お客さんが飽きてしまうようなライブは懲り懲りだ。
動き回っていればお客さんも飽きないだろう。
人の目は動いてる物を追いかける習性があるものだから...
そう考えて彼は踊りまくった。
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そして5月22日
踊るようになって初めてのライブが終わった後
ありえないくらいの汗と心地よい疲労感に
なんとなく答えが出せたような気がした。
そして自分と自分の未来を「結ぶ」ために
クリアしなくてはならない事の一つを
クリア出来た気がした。
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ところで
彼のダンスを見た事があるだろうか...
およそ踊りの基本を知らない
変な踊りだ...
~ 2 B Continued ! ~
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次回11/16発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ!」は
No.24『ある本との出会い』です。
お楽しみに!
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【4】Tips □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【この頃使っていた機材は?第二回目】
あの~、この企画、あまり好評じゃないみたいですが
勝手に続けさせてもらいます。
先週は ASR-Xを紹介しましたが、
今週は「ACID PRO」の紹介です。
まずはこの頃、コンピュータを買うにあたって
MacにするかWinにするか迷ったのですが
多くの人達がMacを薦める中、
思いっきりWin買いました。
理由は親父が使ってたからです。
分からなくなった時に友達とかだと
あまり質問多過ぎると胡散臭がられるでしょ?
でも親父なら平気という事で(笑)
で、Winにしてから「コンピュータで音楽が出来る」ということを
知りました。
何が必要なのか?
どんなソフトがいいのか?
色々な疑問が渦巻く中、
僕はASR-Xを使っていてすごく不便だと思う事を書き出しました。
その筆頭が
「タイムストレッチが遅い...いや、遅過ぎること」です。
一度なんか、
飯前にタイムストレッチ掛けて
飯食い終わってもまだストレッチしていて
「これはストレッチすんな!ってこと?」
って感じでした。
ただ、サンプルをエディットしまくる楽しさに夢中になっている僕には
タイムストレッチがものすごく重要だったんですね。
だからタイムストレッチ機能に特化した「ACID PRO」の事を知った時には
これしかない!と思いました。
この ACID PRO を使うようになってホントに楽曲制作の自由度にビックリしましたね。
すぐに「リプレリュード」という曲が出来ました。
xxxp206UwbV/repre050421.mp3
何しろ、リアルタイムでテンポが合うもんだから
色々なサンプル同士を混合させて
違う色同士をパレットで混ぜ合わせるような感じで感覚的に音をデザイン出来るんですね。
この感覚を知った時はホントに
音楽は新しい時代を迎えたんだな...と思いました。
今までの音楽って結局、頭で考えた物を形にするだけだと思うんですよ。
でも、上記のようなスタイルで音をデザイン出来る事によって
コンピュータの中で音同士をセッション出来るんですね。
これはひとつの事件だと思いましたね。マジで。
Beat Chopper というサンプルをバラしてくれる機能が付いた時には
単体サンプラーの名器「AKAI MPC」と
サンプルをチョップしてくれるソフト「Recycle」
の2つが一緒になった、と評価する人達も出て来ました。
今は「LIVE」というWin/Mac兼用の同機能ソフトに押され気味ですが(僕も使ってる)
WinでACID PROを使ってる皆さんは
絶対に使いこなした方がイイですよ!
「ACID PRO」
http://tinyurl.com/946q4
次回は CUBASE で!
※【お詫び】先週も同じ事を書いてしまいましたが先週号の上の部分、正しくはこうなります。
正→次回は ACID で!
誤→次回は CUBASE で!
お詫び申し上げます。
【5】about clay □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼clayってどんな人?
シンガー&ギタリスト。ダンサンブルで新しいロックを提供出来る
アーティストを目指す。
2004年10月プライベートレーベル「S/N BRAND」を立ち上げ
2005年1月ファーストフルアルバム「ブランニュー・ルネッサンス」リリース。
もっと詳しく! → xxxclay.html
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ゴスペルの分厚いコーラスで始めるハウスナンバーから変拍子を織り交ぜ
たドラムンベース、そしてソフティケイトされた 2STEP ~ R&B。
そのどれもに R・O・C・K の血が流れています。
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 0120-709-301   10:00~22:30 受付(日、祭日を除く毎日)
(1)「お名前(貴店名)」と「お客様リクエスト番号」をお知らせ下さい。
(2)「聴きたい曲名」と「アーティスト名」をリクエストして下さい。
(3)オペレーターが放送するチャンネルを御案内しますのでチャンネルを合わせてお待ち下さい。
・CANシステムご利用の場合は加入エリアによって変わってきます。
リクエストスタジオの電話番号をご確認下さい。
xxxa1/usen.html
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【6】News ! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
11/5のライブは無事終了しました。
http://clay.at.webry.info/200511/article_3.html
しばらく創作に集中するため
ライブお休みします。
進展あり次第、お知らせ致します。
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
この時はホントにへこみましたね。
「あ~、さすがに良いライブハウスは、お客さんが残ってくれるんだな」
って思ってたらドンドン帰って行く(笑)。
すごい正直言わしてもらうと
客観的に見て clay は
「クール(悪い意味で)」だし「カッコ付けてる」し
相当引っかかる物がないと面白くないと思うんですよ。
1980年代くらいまでは
「うまい」とか「カッコイイ」とかだけで食えてたかもしれないけど
今は明らかにそう言った物に対して食傷気味ですよね。
お客さん側が。
そういうことってライブやってれば当然気付きます。
真剣にやってればやってるほど。
でも
今は逆に無理に踊る方向に持って行かずに
自由にやってます。
自分自身が自由じゃないと
音楽やってる意味が良くわからなくなってくるので。
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P.S.
【この頃使っていた機材は?】のコーナー長過ぎですね(笑)。
でも驚くなかれ、これでも半分に減らしたのです。
ほとばしる機材への熱い思い!
来週もお楽しみに!
最後までお読み頂きありがとうございました。
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