No.3『東京という街の一員に』


ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ!」第3話
▼SIDE A
♯2 オーディション
東京という街の一員に
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よく読んでいるロック雑誌のオーディション。
「送ってみようかな...」
この前、せっかくスタジオで録ったテープは
なんか取って付けたような気がして
気に入らなかった。
代わりに安いテレコで
ボーカルとギターをダビングしたテープを
某有名レコード会社に送ってみた。
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テープを送った事を忘れかけていたある日
彼の部屋のすぐ側にある廊下から
電話の音が響いた。
「◯◯(レコード会社)の◯◯ですけど」
話の内容は彼の送ったデモテープに興味を持ったので
是非ライブを見てみたいという事だった。
あまりにも突然な事だったので気が動転して
彼が口に出来たのは
「はあ...」

「ライブは、やってないんですよ」
の2つだけだった。



その電話を切った後
ようやく事態が把握出来た。
ヤッッッッッッッッッ ベエ !
急いでレコード会社に電話をかけ
「◯◯さんいますか?」と受付の女性に聞くと
その名字の人は何人も居て誰かは特定出来ないとの事だった。
懸命に電話の内容を説明したが
元を正せば彼が悪い。
「ちっっっきしょう...」
逆切れしながら受話器を置いた。
しかし、この前のスタジオのマスターからの評価と
この話の件ですっかりその気になってしまった彼は
もうとにかく止まらない衝動に駆られて
東京での一人暮らしを決意した。
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「勉強しなくなるから」と言って
ギターを教えなかった彼の父親も
この頃になると色々なアドバイスをくれるようになっていた。
「行ってこい。」
反対されても行くつもりだったし
逆に反対されたら勘当覚悟で家を出ようと思っていた彼は
拍子抜けしてしまった。
なんか
初めて父親に認められた気がしてうれしかったけど
そんな感傷に浸ってる場合ではない。
すぐに駅に向かい
アルバイトで貯めた12万を持って
東京の中央沿線にある不動産屋へ向かった。
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彼と同じ年の子達はまだ
高校生へ通ってるときである。
電車の中で
高校生達は彼を気にする訳でもなく
彼も高校生達を気にする訳でもなく
各駅停車で、ゆっくり移り変わる景色に
色々な事を考えながら
電車は東京へ向かった。
はっきり言って東京ならどこでも良かった。
とにかく早く
東京という街の一員になりたかった。
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不動産屋のおじさんに
敷金礼金を含めて12万しか払えない事を告げると
車で部屋を紹介してくれた。
家賃は2万いかない。
腐った畳
シミだらけの天井
赤い水が出る蛇口
こんな所誰が住むんだろう...
と思った所に彼は住んだ。
~ 2 B Continued ! ~
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注)この私小説は彼=clayを主人公に書かれていますが
clayを含む登場人物の言動には小説を面白くするため
多少膨張表現がある事をご了承下さい。
(この小説を読んで「こんな事」や「あんな事」して
お◯わりさんにお世話になったとかは、なしですよ!)
【4】Tips □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【この頃よく読んでいた本は?】
・ドストエフスキー/白夜

ドストエフスキーは難しいイメージがあるようですね。
でもこの本は見方によっては恋愛小説ともとれる物語で
すごく切ないのが
「絶対に恋なんか出来ないような夢想家の青年」
が美しい少女に恋をしてしまうところです。
一筋縄で行かないストーリー展開に
「うまく行ってくれ!」と手に汗握る自分がいます(笑)。 
お見せ出来ないのが残念ですが、美しい女性の表紙も必見です!
【この頃よく聞いていたアルバムは?】
この頃はネオアコばかり聞いてました。「Outro.(編集後記)」も
参照して下さい。
・フリッパーズギター/カメラトーク

このアルバム友達に聞かしたら10人中10人、CD買いましたね。
すっごいグループでした。
・アズティックカメラ/ハイランドハードレイン(試聴出来ます!)

さきほど紹介した本と同タイトルで「白夜」という僕の曲があります。
この「ハイランドハードレイン」の一曲目に即発されて作った曲です。
とてつもなくポップなのに、とてつもなく切ないです。必聴!
・オレンジジュース

・モノクロームセット

【5】about clay □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼clayってどんな人?
シンガー&ギタリスト。ダンサンブルで新しいロックを提供出来る
アーティストを目指す。
2004年10月プライベートレーベル「S/N BRAND」を立ち上げ
2005年1月ファーストフルアルバム「ブランニュー・ルネッサンス」リリース。
もっと詳しく! → xxxclay.html
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【6】News ! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼ clay LIVE @ LIVE GATE TOKYO
コンピュータから流れるブレイクビーツと
「ギター1本ライブ仕込み」の歌とギターで熱いライブ。
6月17日(金)Open 18:30 Start 19:00
前売¥1500 当日¥1800 (ドリンク別)
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受付は明日16日までです。キャンセル料かかりませんよ!
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今日は僕が愛読してるメルマガを一つ紹介したいと思います。
「秘密の音楽法」
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このメルマガ読者の皆さんの中には実際に音楽を作ってる方も
多いと思います。
もしあなたが
「理論なんて関係ネーよ」っていうワイルドなロッカーでも、
毎回ワンパターンの曲作りに飽きて
「ちょっとは理論知っておいた方がいいかな...」っ
て思った事ありますよね。
でも、楽器屋さんに並ぶ理論書。
手に取るまでもなく挫折したのは何回目でしょうか。
でも理論と知識は使えてナンボ。
市販本のように難しい必要はないのです。
ということであなたに
僕も愛読しているとっておきのメルマガを紹介します。
かゆい所に手が届く!即戦力の
「秘密の音楽法」
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毎回このメルマガを印刷して
本にしてしまえば楽器屋さんで挫折せずにすみますよ!
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
メルマガは、とうとう東京行きを決意したところまで来ましたが
この頃から音楽の掘り下げ方が半端じゃなくなって来ます。
とにかくバイトで貯めたお金のほとんどをCDにつぎ込みました。
今でもそうですが「CDショップに行く」という行為そのものに
ドキドキしてしまうんですね。
そして行けば買わずにいられないんですね。
この頃は「ネオアコ」といわれるジャンルでフリッパーズギターから
掘り下げてオレンジジュースやモノクロームセットそしてアズティッ
クカメラを聞いてました。
自分がアコギ(フルアコ)で曲を作っていたせいか歪んだギターより
クリーントーンのギターが好きで、コードもジャジーだったり、服も
オシャレだったりしてすごく長~く好きだったジャンルの一つです。
上の「Tips」のコーナーにリンクが貼ってありますよ!
どれも絶対にオススメの名盤です。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
次回6/22発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ!」は
No.4 『2万人の中の15人。しかも最年少。』です。
だんだん、面白くなって来ますよ~お楽しみに!
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毎週水曜日発行
ライター:clay
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