ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ！」第8話
▼SIDE A
♯5 ギター１本ライブ
「ぼ～っとしてたらおじいちゃんになっちゃうよ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
相も変わらず
暇つぶしに精を出していた
ある日曜の夕方
電話がなった。
シカトしようと思ったが
音楽関係者からだと言う事で
なんとなく
受話器を取った。
すると電話の相手は
前のバンドでライブをブッキングした
会社の社長だった。
当時は誰であろうと
タメ口で話す彼は
包容力のある社長と
「今、なにやってんの？」
「なんにもしてないよ」
「ライブやんないの？」
「バンドが無いから」
他愛のない会話を続けていたが．．．
「バンドが無くても一人だってライブは出来るじゃん」
「．．．」
「ぼ～っとしてらおじいちゃんになっちゃうよ」
「！」
この言葉が
刺さった。
刺さりまくった。
この一言で彼は
もう後のない年齢に来てしまっている
自分に気付いた。
「若いね。若いね。」とチヤホヤされていたのは過去の事。
リハーサルスタジオに来るバンドマンも
ほぼ全員が彼より年下になっていた。
一人でも
ギター1本でも
ライブを
やってみようと思った。
というか
やらなきゃ行けない時期に来ているんだって
感じた。
長い冬は終わりを告げ
季節の変わり目が
何か新しい事を予感させる
暖かい春の夜だった。
***********************************************************
この「一人で弾き語りライブ」を
やる事については
余談がある。
彼がミュージシャンの知り合いに
良く言われていたことの中に
「バンドが無くても歩行者天国とか路上とかで一人で歌ってこいよ」
「ライブハウスでもソロミュージシャン募集してるぞ」
という助言（？）があった。
言い訳の名人だった彼は
その度に巧妙な言い訳を
彼らに話して来たが
本当は
ただ
ただ
ただ
ただ
怖かった。
バンドでやる時だって
あそこまで緊張するんだ。
一人でなんか出来る分けない。
でも
誰のどんな言葉も動かせなかった彼を
「ぼ～っとしてらおじいちゃんになっちゃうよ」
という、たった一言が動かした。
暇をつぶす事に飽きて来た彼が
本当に焦り始めた将来を
そして
なんとなく自分の立場が分かって来た彼が
本当に不安に思っている事を
あまりにも的確に表現されたからである。
このとき
やらなければ
一生やらなかっただろう．．．
～ 2 B Continued ! ～
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注）この私小説は彼＝clayを主人公に書かれていますが
clayを含む登場人物の言動には小説を面白くするため
多少膨張表現がある事をご了承下さい。
（この小説を読んで「こんな事」や「あんな事」して
お◯わりさんにお世話になったとかは、なしですよ！）
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【CM】
今週の土曜日23日は、錦糸町駅北口のアルカキットというデパート
の前のステージで野外ライブをします。
持ち時間15分くらいですが、お近くを通られた際には無料なので是非！
clayは16:30過ぎ頃出演予定です。
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
この頃（メルマガ今号の頃）、何故か右の頬がすごくかゆくなって
見てみたら結構大きなニキビみたいなのが出来ていました。
初めは放っておいたのですが何しろかゆくてしょうがないのでAという
皮膚科に行きました。
すると事情を説明するや否や
「まあ～　男がそんな事気にしてどうするの？」
といきなり言われたので
「かゆいから来てるんだ！かゆいのをなんとかするのがおばさん（笑）
の商売だろ？」
と、ちょっとキレ気味に言ったら塗り薬をくれました。
家に帰ってその塗り薬を付けて、なんとなく安心して寝ました。
が、
次の朝起きてビックリ！
始めはニキビくらいの大きさの吹き出物が、なんと顔の右半分全体に
広がってるではないですか！
「あのババア！」
急いで車を走らせAという病院に行くと「休診日」の文字が．．．
5分くらいどうしようか考えたのですが、どうしようもなかったので
今度はBという病院に経緯を説明し治療してしもらいました。
「それは大変だったわね」「でもあなたの態度も悪かったわよ」
Aのおばさんとは180度違って、Bの院長はほんとに優しい人でした。
ただ、顔の吹き出物はその後半年くらい消えませんでした。
と言っても自分の顔だから気になるっていう程度で、周りの人に聞いて
も目立たない様でしたが．．．
みなさん、薬の間違いには気を付けましょう（笑）。
————————————————————–
※汚い口調、お詫びします。
この頃のclayはこんな感じでした。
でも、今はメルマガにもあるような葛藤の中、人の痛みが分かる
人間になりつつあります。
今後ともご指導ご鞭撻の程宜しくお願いします。
————————————————————–
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回7/27発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ！」は
No.9 『手が震えるこのままじゃいけない。』です。
別に変な薬やってる訳じゃないですよ（笑）
お楽しみに！
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ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ！」第7話
▼SIDE A
♯4 なんでだろう．．．
オーディションに受からなくなった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バンドがなくなった後の彼は
「どうやって暇をつぶすか」
そんな事が彼の最大の課題となった。
色白のくせに
真っ黒に
日焼けをしてみたり
何日も
家に帰らず
遊びに行ったり
・・・・・したり
・・・・・たり
ピークを越えた「いらだち」は
人を強力に
ひねくれさせるのだろう。
アルコールを口にすれば
TVにでているアーティストの
悪口ばかり言うようになった。
「こいつら◯◯のパクリじゃん」
「なんでこんなクソヘタがデビュー出来んの？」
自分の現状への言い訳と
音楽シーンのひどさを
どうやったら、共感してもらえるのか．．．
そんな事ばかり考えるようになっていた
「20歳を過ぎたばかりの青年」がである。
***********************************************************
しかし
音楽に対する気持ちは
消えるはずも無く
その気持ちだけが
彼を支える
細い杖となった
「もう一度オーディションを受けてみようかな？」
「また受かるかな？」
希望はいつも疑問形だったが
とにかく
新しい曲を書いて
いくつものテープを送った。
***********************************************************
が、
待てど暮らせど連絡が来ない
「まだ聞いてないんじゃないか」
と
よく分からない前向きさで
自分を勇気づけていた彼に
決定的な証拠が届いてしまう。
「不合格通知」
生まれて初めてもらったサイテーな手紙は
バラバラに引き裂いて
ゴミ箱に捨てた
すぐあとで
部屋のゴミ箱にある事も
腹立たしくなって来て
近所のコンビニまで
わざわざ捨てに行った
「もしかしたら合格通知に不を間違えて書いちゃったのかな？」
どこまでも自信過剰な彼に
今度は
複数の「同じ内容」の通知が届く
***********************************************************
もし、
今オーディションの渦中にいる方がいたら
つらい事かもしれないが
覚えておいて欲しい事がある
オーディションの結果は
大抵の場合
合格＝電話
不合格＝手紙
だから手紙という事は
まず不合格という事になる
書いてある事はみな同じだ。
定型書式のコピーに彼の名前だけ手書き。
その手書きの部分の乱雑さが
改めて
そして心から
彼をヘコませた
「なんでだろう」
「なんで受からないんだろう」
でも音楽好きの人々にとって
当時の彼の音楽を聴けば
一目瞭然ならぬ一聴瞭然だと思う
なぜなら「音楽」って
どうしようもなく
ライターのハートを映し出す
その頃の曲は
彼と同じく「内」に向かいすぎていた
そんな歌
誰の心にも
響く訳
なかった。
～ 2 B Continued ! ～
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注）この私小説は彼＝clayを主人公に書かれていますが
clayを含む登場人物の言動には小説を面白くするため
多少膨張表現がある事をご了承下さい。
（この小説を読んで「こんな事」や「あんな事」して
お◯わりさんにお世話になったとかは、なしですよ！）
【4】Tips □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【この頃よく聞いていたアルバムは？】
ブライアンフェリー /タクシー

最高です。これはハンパじゃなくオススメ！特にキャロルキングの
カバー曲「ウィルユーラブミートゥモロー（選曲渋過ぎ！）」はオ
リジナルよりいい気がします。
前にライブで「ブライアンフェリーのような毒を感じた」というア
ンケートを頂いた事があるのですが、複雑な気持ちでした．．．（嘘）
ウェンディージェイムス/ナウ エイント ザ タイム

今、このアルバムを聴きながらこの記事を書いてます。
エルビスコステロがプロデュースした女性シンガーのアルバムです
が、パンク色が強いです。しかもポップです。そして、はっきり言
って「うまくない」のですがバラードではハートをわしづかみにさ
れます。
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さあ、ライブ！clay LIVE ！
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【CM】
前号で紹介した Ke-ko + Yokko ワンマンライブ
無事に終える事が出来ました。
来て頂いた、たくさんの方々に感謝です！
clayはアコギで後半の参加でしたので
Ke-ko + Yokko の前半ライブを観客として楽しむ事
が出来てメチャメチャ、ラッキーでした。
詳しくは
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の「LOG」ページで。
CDの発売がもうすぐみたいですよ！
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
少しメルマガの中で出て来ましたが、僕には当時ホントにコンプレッ
クスに思ってた事がありました。それは「色白」ということです。
今はそこまでひどくないのですが、昔は女性でもこんな白い人はいな
いっていうくらい白くてホントに嫌でした。
男なのに色白いのって嫌じゃないですか？
男はやっぱりたくましい方がいいじゃないですか？
うなずいてる人も多いみたいですね（笑）
一番困るのはやっぱり夏です。ホントに色白だと半袖になれないんで
すよ。いちいち「色シレーな」とか言われるから。
だから音楽やってる事を逆手に取って「ロッカーは不健康なんだよ！」
とか「ミュージシャンは肌見せないんだよ！」とか意味の分からないの
に妙に説得力のある事を言って長袖（しかも黒）を着てるから余計陽に
焼けない。
そんなナヨナヨ肌の持ち主だった僕が
このメルマガの時期にいきなり日焼けをしだします。
ちょっとだけ外にいる時間が長かった時に、ふと腕を見たら赤くならず
に小麦色になってるんですね。
「！！！」これはもしかしたら焼ける体質かも！って思って屋上で寝転
んでたら見事に焼けたんです。
あの．．．
今まで「一生色白で生きてくのか」と思っていた男が「実は焼ける」っ
て分かったときの人生の素晴らしさ、理解出来ますか？
音楽はもちろん、どんな事でも一生懸命。中途半端が嫌いな僕はとことん
日焼けし倒します。
そして金のネックレスをして街へ繰り出します。
そりゃ、オーディション受からないですよね．．．
————————————————————–
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回7/20発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ！」は
No.8 『「ぼ～っとしてたらおじいちゃんになっちゃうよ」』です。
お楽しみに！
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ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ！」第6話
▼SIDE A
♯3 バンド
世界はお前中心に回ってない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
はっきり言ってギタリストのKちゃん以外は
彼が無理矢理メンバーにさせたような物だった。
その事を後で
間接的に知る事になる。
表向きはメンバーみんなの曲をやるってことになっていたが
結局ほとんどのレパートリーは彼の手によって作られた。
リハーサルの予定を決めるのも
ライブのブッキングを決めるのも彼だった。
ミーティングと称した飲み会の席で
4人のメンバーの中
彼のテンションだけが妙に高すぎて空回っていた。
「絶対有名になろうぜ！」
「バッチバチにカッコイイバンドになろうぜ！」
***********************************************************
新宿の汚いパブみたいな所で初めてのライブ。
ライブハウスに向かう電車の中での
重たい空気は
ライブハウスから帰る電車の中で
もっと重くなっていた。
そして
その原因のほとんどが彼にある事を
彼はまったく気付こうとしなかった。
「もっとこういう音楽聞いた方がいいんじゃない？」
「リハの回数を倍に増やした方がいいんじゃない？」
そういう
ことじゃ
なかったんだ．．．
***********************************************************
2回目のライブをやった後
いつも連絡役だった彼が連絡を回すのをやめると
案の定
Kちゃん以外からは何の連絡もなくなった。
あんなにしょっちゅうリハに入っていたのに
何週間も入らなくなって
さすがに「おかしい」と思ったKちゃんが
電話をかけてきた。
「バンドやんないのかよ」
うれしかった．．．
でも他のメンバーは
「実はやりたくなかったんだ」
というような意味の事を
Kちゃんに言って来たんだって。
本当はもっと
楽しんで演奏出来たら
続けても良かったのかもしれない。
ただレコード会社から離れ
「プロになる」という気持ちが空回りするいらだちの中で
大切な事に気付く時間を失くしてしまったのかもしれない。
***********************************************************
悪い事は続く物だ。
飼っていた
大好きな猫が
死んだ。
いつも一緒に寝てたから
寂しくて、一週間くらい泣いた。
そして
小学校の時から飼っていた犬も
死んだ。
そして
酔っぱらって車を運転して
3回事故った。
***********************************************************
ぐったりとした気持ちで部屋に戻り
ビールを飲み干して
煙草をくわえ
TVをつけると
ブラウン管の向こうで俳優が叫んでる。
「世界はお前中心に回ってるんじゃないんだ！」
その言葉があまりにも
今の彼とリンクしすぎて
その言葉があまりにも
これからの彼を予測してるように思えて
TVがすえてある
テーブルごと
たたき壊した．．．
～ 2 B Continued ! ～
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注）この私小説は彼＝clayを主人公に書かれていますが
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【この頃よく聞いていたアルバムは？】
・モリッシー/ユア アーセナル

スミスがすごく好きなのですが、ここに来て’80のギターバンドが
自分の中でブームです。自分の楽曲にも取り入れようと思ってます
が、’80のクリーントーンのギターにドラムンベースを融合させたのが
clayの「2 The Groove」という曲であります。
xxxp206UwbV/2the050421.mp3
話題それましたが、このモリッシーのアルバムは新感覚のロカビリー
あり、グッとくるコードプログレッションのせつないロックありで
モリッシーのソロの中でも特に聞きやすい一枚なのではないでしょうか。
・ストレイキャッツ/ チューチューホットフィッシュ

モリッシーとストレイキャッツの共通点はリーゼントですね。
この頃、やたら自分の中でロックンロールがブームでした。ジーンヴ
ィンセントやエディーコクランやバディーホリーetc.色々聞いてる中
タイムリーに登場して来たこのアルバムは「エルビスの栄光」という
タイトルの一曲目だけでも買う価値ありなのですが、ハワイアンとロ
ッカバラードを足したようなインストがあって、これから来る夏に向
けて彼女に音楽センスをアピールしたいあなたにジャストでマストな
一枚です。
【5】about clay □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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▼ clay LIVE @ LIVE GATE TOKYO
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
え～と、小説の重～い話は置いといて（笑）
前回話しましたが、今日はサポートさせてもらってるKe-Koさんの
バックでライブ！です。
せっかくなので宣伝させてもらいます。
ところで「なんで女性シンガーのバックなんかやってんだ」と思わ
れる方も多いと思いますが
メルマガの読者の皆さんにお教えしますと
clayのライブのダンサーとして踊ってもらおうかと思って
ダンサーでもあるKe-Koさんのライブを視察しに行ったのですが
そのライブではダンスはなく
シンガーとしてのKe-Koさんのライブだったのです。
ただ、ライブが良かったので、
逆に
「手伝える事がないか」と申し出たところ
「実はギターとコーラスを探してた」という感じになったのです。
勝海舟を殺しに行って逆に感化された坂本龍馬みたいな感じですね。
clayとやってる音楽は違いますがピアノを担当しているYokkoさんの
曲はKe-Koさんの声と交わる事で最高に感じる物があります。
路上ライブでテスト済みですが
女子高生～子連れ親子まで様々な人がKe-Koさんの歌に足を止めます。
clayはこのライブで「静」の感性を磨きます。
ご一緒にいかがですか？
場所　ライブバー「大久保水族館」
時間　ライブスタート　21時～（約1時間）
料金　 ＼1600（1drink込）
————————————————————–
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回7/13発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ！」は
No.7 『オーディションに受からなくなった』です。
ちょっと重い話が続きますね。
でも、長くは続きませんよ。
お楽しみに！
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ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ！」第5話
▼SIDE A
♯3 バンド
天狗
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それからディレクターのもとへ
毎週通うが続いた。
曲を持ち寄るのである。
ただ曲を聴かせる度に
「◯◯（アーティスト名）みたいな曲を」
とか
「もっと年相応の詩を」
とか言われて嫌気がさしていた。
◯◯（アーティスト名）なんか聞いた事無いし
学校も行かず、働きながら音楽をやっている彼にとって
年相応の詩なんて、まるで興味が無かった。
地元に帰ると
オーディションに受かった自慢話を聞いていた友人達が
尊敬のまなざしで彼を見てくれるので
余計に打破出来ない今の状況にいらだった。
少なからず自分の音楽に自身が付き始め
自分の作品に反応を得られるようになった彼は
あろうことか
そのディレクターと距離を置いてしまう。
彼の才能を面白いと思っていたディレクターは
毎日のように電話をかけてきたが
彼は居留守を使って電話に出る事はなかった。
オーディションに受かった時に
一緒になって喜んでくれた彼の母親は
「いる」のに「いない」と
言わなければいけないディレクターとの電話の取り次ぎに
疲れを感じていた。
***********************************************************
オーディションで浮き足立った夏が
終わりを告げようとしていた。
とうとうディレクターからの電話もかかってこなくなり
夏の夜と同じくらい長い間と方にくれていた彼に
あるひらめきがまいおりた。
「バンドを組もう」
街には一度去ったバンドブームがもう一度訪れて
バンドマンが溢れかえっていた。
中でも選りすぐりのメンバーを地元で探し出し
残りのメンバーを探しにあちこち車で走り回った。
「メン募」で会った人達のほとんどは
自分のデモを聞いて気に入ってくれるし
スタジオに入れば
音漏れを聞いていたスタジオのマスターが
褒めてくれる。
彼の「ジコチュー」振りはこの頃ますますエスカレートしていったが
そんな中、ようやくメンバーが揃った。
灯台下暗し
バンドのメンバーは「友達」と「友達の友達」
ほぼ地元で見つけられた。
ボウイとキャロルを足したような
ニューウェーブとロックンロールをPLAYする
バンドにしたかった。
～ 2 B Continued ! ～
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注）この私小説は彼＝clayを主人公に書かれていますが
clayを含む登場人物の言動には小説を面白くするため
多少膨張表現がある事をご了承下さい。
（この小説を読んで「こんな事」や「あんな事」して
お◯わりさんにお世話になったとかは、なしですよ！）
【4】Tips □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【この頃よく聞いていたアルバムは？】
・ボウイ/ボウイ

他のバンドとの違いは、「早弾き」とか「ライトハンド」とか
テクに頼らない「センス一本勝負」のギタリストがいるところ
必要最低限の音でここまで洗練されたロックも珍しいのでは。
・キャロル/燃えつきる～ラスト・ライヴ

やっぱり、キャロルはラストライブでしょ！ステージが燃えたり
なぎら健壱が出て来たり、たまに意味が分からない所があります
が、洋楽R&Rのカバーやオールディーズとしても聞けるナイスな
楽曲が揃ってます。「夏の終り」って曲が大好きです。
【他にはこんなアルバムを聞いていました】
INXS / Kick

Cure / wish

イアン・マッカロク/9トラックス

【5】about clay □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼clayってどんな人？
シンガー&ギタリスト。ダンサンブルで新しいロックを提供出来る
アーティストを目指す。
2004年10月プライベートレーベル「S/N BRAND」を立ち上げ
2005年1月ファーストフルアルバム「ブランニュー・ルネッサンス」リリース。
もっと詳しく！ → xxxclay.html
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・ clay ファーストフルアルバム 「ブランニュー・ルネッサンス」
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ゴスペルの分厚いコーラスで始めるハウスナンバーから変拍子を織り交ぜ
たドラムンベース、そしてソフティケイトされた 2STEP ～ R&B。
そのどれもに R・O・C・K の血が流れています。
プライベートレーベル S/N BRAND 第一弾 全9曲入り ￥1800（税込）
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・「ブランニュールネッサンス」の高音質サンプルMP3を
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・有線を入れてあるお店で働くあなた！リクエストで試聴が可能です。
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【6】News ! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼ clay LIVE @ LIVE GATE TOKYO
House, Drum’n’bass, R&B + ☆ R・O・C・K ☆
7月30日（土）@LIVE GATE TOKYO
Open 17:00 Start 17:30
前売￥1800 当日￥2000 （ドリンク￥500）
・エスエヌブランドから￥1500にディスカウント！
http://www5f.biglobe.ne.jp/~clay/ticket/ticket.html
・メールでも承ります。
clay@sn-brand.com
※ 最近はアンケートを書いてくれた人やサンプルCDを聞いた人が
ライブに来てくれる事が増えてうれしいです！
CDの会場特価販売！や新曲デモCDプレゼント！もあります。
予約はキャンセル料かからないのでお気軽に！
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★年間100本以上のライブをこなすJ-POPユニット「Nostalgic-Scopes」
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インディーズ界で活躍する二人のリアルな現状をお話します。
彼らは男女のユニットなのですが、実力もさることながら
年間100本以上ライブをこなしてるということで
ウェブサイトを見てみると「ストリート」やら「ライブハウス」やら
しょっちゅうライブやってます。
デジタルレコーディングマガジンの「デジレコ」http://www.digireco.com/
という雑誌のイベント「ElecTrick」でも一緒に出演させて頂いたきました。
メルマガは僕も毎週読んでいるのですが、随所に隠れる◯◯が
音楽性と見事にギャップを生み出していて面白いですよ！
◯◯についてはこちらを読んでみてね！
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
たまに、この頃を知る人から「オーディションの事、後悔してない？」
と聞かれるのですが、はっきり言ってまったく後悔してません。
実はこのオーディション後にすぐにデビューに至らなかったのもライ
ブを含めた「経験の少なさ」が大きな原因となっていたようです。
それと、若すぎる時にあまり褒められすぎるのって良くないです（笑）。
変なプライドばかり育ってしまい、ホントの意味で性格の悪いミュージ
シャンになってしまいますね。
正直、この時にデビューしてても「お偉いさん」とケンカしてすぐ首に
なってたと思います。
一番いけなかったのは、やっぱりライブ活動を行ってなかった事ですね。
外に向かう活動をしていれば色々な事（良くも悪くも）がダイレクトに
返って来ますし、変に天狗になることもなかったと思ってます。
なので、後悔してる事はオーディションの事より「ライブをやらなかった事」
ですね。
この頃にライブ活動を行ってなかったことで後から
色々と大変な思いをしました。
でも最近、ようやく自分の思い通りに近いライブが出来るようになったと
思うことが増えて来ました。
クラブミュージックとロックを”交尾”させる事で
「新しく」て、色々な人達の「耳と体にバイブレーション」をプレゼント出来たらと全力で思ってます。
そんなclayのライブですが、7月30日（土）に LIVE GATE TOKYOでやります。
こちらから予約で割引チケットがゲット出来ます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~clay/ticket/ticket.html
メールの予約もOKです。
clay@sn-brand.com
————————————————————–
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回7/6発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ！」は
No.6 『世界はお前中心に回ってない』です。
お楽しみに！
あっ。そうそう！
7/6（水）といえば、
今、サポートでギターとコーラスを担当させて頂いてる
Ke-Koさんのワンマンライブが大久保水族館で行われます。
もちろん、clayも出ます。
場所　ライブバー「大久保水族館」
時間　ライブスタート　21時～（約1時間）
料金　ADV ／ DOOR　　\800（1drink込） ／ \1600（1drink込）
予約方法はclay@sn-brand.comまで下記内容をメール下さいませ。
　　　　　　　1)お名前：
　　　　　　　2)ライブ日程：7/6
　　　　　　　3) 予約枚数：
仕事が終わってからも十分間に合う時間ですよ！
Ke-Koさんのホームページはhttp://www.geocities.jp/ke_ko32/です。
試聴も出来ます。
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　　解除依頼、また解除に関するお問合せは受け付けておりません。
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メジャーを追い越せインディーズ！
毎週水曜日発行
ライター：clay
感想や質問・相互広告に関するお問い合わせは
clay@sn-brand.com
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バックナンバー：http://clay.at.webry.info/theme/b1bd6b90e6.html
　　　本メールに掲載された内容を許可なく複製・転載する事を禁じます
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ロック私小説「メジャーを追い越せインディーズ！」第4話
▼SIDE A
♯2 オーディション
2万人の中の15人。しかも最年少。
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上京して一日目の夜
彼は今まで経験した事の無い
「とてつもない寂しさ」の渦中に居た。
地元にいる仲間達の笑顔
静かで日が良く当たる街
そして何よりも
「家族がすぐ近くにいない」
というのが
こんなにつらかったとは知らなかった。
一人の夜は今まで経験したどんな夜より心細く
眠らない街の喧噪が彼を余計にナーバスにした。
「乗り越えなくっちゃ」
だが
この泣きそうないくつもの夜を乗り越えた事で
彼の音楽への思いはいっそう強くなった。
***********************************************************
仕事をしながら毎日スタジオで声を鍛え
夜はグレコのリッケンバッカーモデルを
もちろんアンプには通さず生音のまま
近所を気遣いながら曲を書いた。
この頃になると
彼のソングブックには
300を超える曲が出来上がっていた。
上京の前日に「曲」が出来、
上京の翌日に「詞」が出来た「ダンステリア」
という曲をレコード会社に送った。
♪バスが来るまで君を待てるさ
どうでもよけりゃすぐ消えてるさ
けたたましく響く雨音とダンスナンバー♪
16ビートのギターのカッティングで始まるその曲は
当時流行っていたマンチェスターサウンドや
デジタライズされたロックを意識したものだった。
送ったその日から彼の頭の中は
「オーディションに受かって欲しい」
という気持ちでいっぱいになった。
仕事から帰ると真っ先にポストへ向かい
合格の知らせが来てないか確かめた。
来る日も来る日も。
***********************************************************
チョットした事で実家に戻っていた時に
女神様は舞い降りた。
そう、オーディションに受かったのである。
あとでディレクターに聞いた所
そのオーディションは2万人受けて受かったのは15人。
しかも彼は全国で最年少だったという。
今まではオーディション結果が待ち遠しくて眠れなかった
が、
今度はオーディション結果がうれしくて眠れなくなった。
こんなに早く夢はかなうんだ。
オレって結構すごいのかもしれない。
「普通、テープを何回も聴いて合格者を選考するんだけど
君のはすぐ決まったんだよ」
担当ディレクターの言葉は「うぬぼれ」に拍車をかけた。
***********************************************************
ここまで来た時に彼は完全に勘違いしてしまう。
行く先々でちやほやされるうちに
彼の目標は
「ミュージシャンになる」
ということから
「オーディションに受かる」
ということにすり替えられてしまっていた。
「スパーリングチャンピオン」という言葉をご存知だろうか
練習（スパーリング）では強いが
実際の試合になると、どういう訳か負けてしまうボクサーの事だ。
そう、彼はこのままだと
「スパーリングチャンピオン」になってしまう事に
気付かないままでいた。
～ 2 B Continued ! ～
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注）この私小説は彼＝clayを主人公に書かれていますが
clayを含む登場人物の言動には小説を面白くするため
多少膨張表現がある事をご了承下さい。
（この小説を読んで「こんな事」や「あんな事」して
お◯わりさんにお世話になったとかは、なしですよ！）
【4】Tips □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【この頃よく読んでいた本は？】
・矢沢永吉 / 成り上がり

clayのイメージと違いすぎますか？でも、この本かなり読みました。
特に上京した手の頃は自分の状況（親父ギャグ？）とリンクさせて。
【この頃よく聞いていたアルバムは？】
良く聞いていたというより、マンチェスターやアシッドハウスの
ブームは、clayのやっているロック + クラブミュージックの原点
とも言えます。
今回は、その中でも特に重要なアルバムを紹介します。
・ジーザスジョーンズ / ダウト

「ライトヒア・ライトナウ」のギターサウンドにダンスビートで
腰を動かさないあなたは何者？
ロッカーによる・ロッカーのためのダンスチューンなのです。
・ストーンローゼズ / ストーン・ローゼズ

60年代のフォークロックにも通じる優しいメロディと、80年代後半に
発生したアシッドハウス系ダンスミュージックを融合。90年代UKロッ
クの方向性を決定づけたデビューアルバムである。
（Amazonレビューから引用）
紹介する為にこの2枚久々に聞いてみたんですが
なるほど、やっぱりメチャメチャカッコイイ．．．
今聞いても「新しさ」が錆び付きませんね。
【5】about clay □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼clayってどんな人？
シンガー&ギタリスト。ダンサンブルで新しいロックを提供出来る
アーティストを目指す。
2004年10月プライベートレーベル「S/N BRAND」を立ち上げ
2005年1月ファーストフルアルバム「ブランニュー・ルネッサンス」リリース。
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新しいロックの「クール！」ここに君臨。
clayがレーベルを作るきっかけと熱い想いがいっぱい詰まった
clay ファーストフルアルバム 「ブランニュー・ルネッサンス」全9曲 ￥1800
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【6】News ! □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
▼ clay LIVE @ LIVE GATE TOKYO
コンピュータから流れるブレイクビーツと
「ギター1本ライブ仕込み」の歌とギターで熱いライブ。
7月30日（土）Open 17:00 Start 17:30
前売￥1800 当日￥2000 （ドリンク別）
エスエヌブランドから予約でさらにディスカウント！
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会場ではサンプルCDプレゼント！
http://www5f.biglobe.ne.jp/~clay/ticket/ticket.html
キャンセル料かかりません。お気軽に！
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clay@sn-brand.com
あなたが来ないならこちらから行きます！
　
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【7】Outro.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
この頃、働いてた酒屋で一緒に働いてたオジさんが
「お前、なんで東京出て来たの？」って言うから
「音楽やりに来た」って言ったらなんて言ったと思いますか？
「バ～カ。あめえんだよ！」だって。
頭に来たけど、なんか、「その通りだな」って思った記憶があります。
音楽やってる奴なんてホントに溢れ返ってましたから。
でも、このオジさんホントに嫌な奴で
配達先のスナックに行くたびにママさん達に
「こいつ音楽しに東京来たんだって。バカでしょ？」って
言いまくるんですよ（笑）。
ただこのオジさん、嫌なとこばっかかなと思ったら
たまに仕事場に娘さんが来るんですが
これがまた、オジさんとは、どこ一つ似て無くて
超カワイイ！
あっ、でもそれって「オジさんの」イイとこじゃないかっ（爆）！
ブログには当時の写真を載せています（今のところ1号と2号）。
是非覗いてみてね！
http://clay.at.webry.info/
————————————————————–
最後までお読み頂きありがとうございました。
次回6/29発行予定の「メジャーを追い越せインディーズ！」は
No.5 『天狗』です。
ゆっく～り、彼の音楽人生が下降して行きます。
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ダンステリア
いつか、リメイクしてやりたい．．．