レバレッジ/失敗学のすすめ/畑村陽太郎

失敗の捉え方というのは
人それぞれだと思いますが
失敗をバネにする
失敗を次につなげる
そのどれもが
根底にあるものを履き違えてしまうと
逆効果になってしまう可能性があるんだな
ということを
この本を読んで感じました。
何かを学ぶ時に
人の成功例から学ぶというのは
色々な方が口にしていると思うのですが
人や自分の失敗例を
深~く追求して行くというのは
言うのは簡単でも
実は
すごくパワーのいることかもしれませんね。
以下は
失敗学のすすめ/畑村陽太郎著
のレバレッジです。
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他人の成功から必ずしも学べないのが今の時代
昨日までの成功は今日の成功を意味しない
大切なのは創造。
そして創造には失敗が避けて通れない
こうすればうまくいく
ではなく
こうすればまずくなる
大事なことは
実際に痛い目にあうこと
そして
人が痛い目に会った体験を正しく伝えること
大事故に対し
「日本の技術基盤が崩れかかっている」
というのは一方的な見方
失敗とうまく付き合えなかったのが原因
失敗は
聞きたくないし
見たくない
でも
失敗を隠すことによって次の失敗さらに大きな失敗を生む
「失敗を考えず、ひたすらまっすぐ進む人」
一見、勇者に見えるが
まわりにとってはただの迷惑な人
同じ失敗を何度も繰り返すでしょう
失敗の原因究明をしようとせず
言い訳に終始する人も少なくない
大切なのは
失敗から学ぶこと
失敗の定義
「人間が関わって行う1つの行為が、始めに定めた目的を達成出来ないこと」
「人間が関わって1つの行為を行ったとき望ましくない結果が生じること」
天災は失敗とは区別すべき
受験用の勉強は最短距離、合理的な勉強だが
本当に身につけることは出来ない
こどもに
あれはダメ、これはダメ
というのはだめ。
ナイフで手を切って痛い経験をしてない子供は
ナイフが危険だと知らずに大人になる
小さな失敗を不用意に避けることは
将来起こりうる大きな失敗の準備をしていること
アメリカのタコマ橋
四ヶ月後、横風によって崩壊
瞬間を十六ミリフィルムで撮影していた
この貴重なデータが活かされ飛躍の種となった
過去の失敗者の名前を実名で伝える
リアルで強烈なインパクトを与える
興味を持った人が直接当該者に聞ける
そして実名を出すことで失敗は隠すものではないという文化を
作ることが出来る
雪印のずさんな衛生管理
残業に次ぐ残業
衛生管理は最後の最後になってしまう
事件発生後
社員の家族は毎日新聞に投稿した
失敗には
よい失敗

悪い失敗がある
良い失敗は未知への遭遇。防ぎようのないもの
その人の成長過程で通るべき失敗
悪い失敗は
良い失敗に含まれないすべての失敗
失敗を重ねる悪い癖が付く
個人にとって意味があっても周りに悪影響なら避けるべき
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「失敗原因の分類」
・無知。
不勉強によるもの。が、挽回のための勉強に時間を費やし
行動をしなければ失敗に寄って失うよりも大きなやる気と時間を失う
・不注意
体調不良や過労。作業の中止を
・手順の不順守
手順をマニュアル化するのはいいが、想定外の自己に対処出来ない
欠点も。
・誤判断
様々な想定をし、仮想演習を
・調査、検討の不足
・制約条件の変化
変化を見越した事業計画を
・企画不良
計画そのものに問題。
どんなに頑張っても無理。
トップに権力が集中してる場合に多い
・価値観不良
まわりと価値観が食い違っているとき
過去の成功例だけをたよりにしない
・組織運営不良
ものごとを進める能力を持っていないケース
修正決断を早めに取らないことで問題が大きくなる
・未知
これによる失敗は嫌わずに
文化を創る最大の糧として大切に扱うべき
樹木構造には、見えないリンクが張り巡らされているので
この構造で分かった気になっているとしっぺ返しが
途中変更が諸悪の根源
伝達に漏れや遅れが生じる
ハインリッヒの法則
一軒の重大災害の裏には

29件のかすり傷程度の軽災害があり

さらにその裏には、けがまではないものの三百件のひやりとした体験が
放っておくと失敗は成長する
まずいと思った時に対策を得られれば
止められるはず
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本当に失敗を活かすには
結末に至るまでの脈略を自分で把握する必要がある
失敗情報は記録し
知織化しなくてはいけない
そして伝達へ
背景、経過、原因、対処、総括、知識化
一切批判しない。
重要なのは責任追及ではなく、失敗を知識化し、次につなげること
だから
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まずは行動してみよう
「痛い」「つらい」「悔しい」という気持ちが起こったら
その失敗体験は強く根付く
小さなものでも
出来れば自分ですべてをやってみる
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論理的思考のウソ
筋道だった展開があって
ゴールへの道を最初から辿ることは、現実の思考の中では滅多にないこと。
実際には、まずテーマがあって、目標を思いついて
それを補強するためのプロセスを辿る方が自然
大切なのは仮想演習
アイデアはもったいないと思わずに
バッサリ捨てるのも大事
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思いつきノートを付けよう
テーマを設定し自由に考える
ただし右肩に日付は必須
ランダムに書いて行く
あとで見たときわかりやすいことと
正確に思い出せるための自分の考えを書くことが大事
そして表題を左肩に書き、二枚目へ
ランダムのアイデアに脈略を付ける
三枚目
具体化を考え
問題解決を行う
計画、企画、設計
四枚目
仮想演習などを使った発展
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ベートーベン第九、完成まで30年
パッと創ってるように思われる作曲家も
ピアノでイメージの脈略を確認している
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優秀なリーダーは
順調に山を登っている時も
雨が降ったら...
ここは道が細いから...
ここは転落の危険が...
と、つねに危険を想定した観察を行っている。
二万個の失敗データがあっても
目をそらしたくなるような数では意味がない
整理し、絞り込み、300個にする
故・三遊亭円生師匠は
完璧にいつでもはなせる噺が300あったという
寸暇を惜しんで落語の勉強に没頭した結果だが
あなたが師匠のような努力家なら
正しく伝達された失敗情報から知識化したものを
三百まで身につけることもできるでしょう。
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失敗博物館には六つの役割
一、失敗情報をデータベース化
二、ネット、書籍などで情報発信
三、伝達。当時者の受けた感想
四、実体験。自動車のスリップ体験
五、コンサルティング。予防、事故調査、対処
六、失敗学研究。人間科学、社会科学、失敗学
clay
2nd Album 「S/N」out now!
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